2006/05/28 (Sun) 個性

先だって注文していた「フィガロの結婚」のCDが届いた。
まだ全部は聞いていないのだけれど、
ちょっと期待の方が大きすぎたかなぁ、というところ。
フルトベングラー（超有名な指揮者）のはドイツ語のフィガロだった。
聞き取りやすいドイツ語だし、スザンナ（フィガロの婚約者の名）なんて
シュワルツコップなのだ。
でも、何だか耳に馴染まない。
う〜ん・・・

で、ものすごく音源は悪いんだけれど（1937年！録音）
おもしろい、というか、あくの強いバジリオ（役名）を見つけた。
キャスト仲間から「お前、やりすぎだよー」と言われるの確実、
っていう感じの役作りをしている。
でも、おもしろい。

で、ここから先は、上手くまとめる自信がないのだけれど、
取り合えず思ったことを書いてみる。
長くなりそうな予感はあるのだけれど。
支離滅裂になるかも。

私がオペラに関わるようになって早々のことである。
知らない、というのはある意味、強い。
稽古の最中に、歌手の人に平気でいろいろ口出しをした。
ある時、ソプラノ歌手の人が悩んでいた。
「（ある登場人物が）どうしてこういう行動を取るか、わからない」と。
動きは大体において、演出家が決めていく。
そこから動き始めて、ここで道具を取って、あちらに行く、という風に。
その行動は、演出家がこうして下さい、と決めたことである。
優秀で努力家の彼女は、歌も上手いし、演技も上手い。
思わず私は言ってしまった。
「どうして？　○○さんの動き、自然だし、わかんなくったって
動けてるんだから、別にいいんじゃないの？」
すると彼女曰く「わからないと動けないのよ。
自分なりにどうしてなのかを解釈しないといけない」
その時の私は「ふーん。そんなもんなのかな」としか思わなかった。
今なら、彼女の言っていることがよくわかる。
で、そのことが「個性」に繋がっていくのではないかと思う。

前出のバジリオ氏。
どういう経歴の人なのか全く知らないが、あくの強い役作りをしていた。
こういう風に作れるってことは、彼の個性なのだと思う。
無難に、クールに、きれいにこなしちゃう演奏より、
無骨でも野暮でも、惹かれるもののある演奏が私は好きである。
私も個性の感じられる演奏をしたい。
「おばばさんらしい」って言ってもらえることが嬉しい。
あ、「おばばさんらしく支離滅裂で抜けてる」っていうんじゃ悲しいですけどね。

途中、端折っちゃったら、やっぱり支離滅裂な文章になってしまった・・・